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ISSUE / 問題提起

ある日突然知らない人から知らない荷物が届いた。
丁寧に包装された白いダンボール。

手紙が入っていた。
文字は汚い。

ISSUEというブランドを始めました。
気に入ったら着て下さい。と一言。

そして汚れたシンプルなコートが入っていた。
とても気に入ったので毎日のように着ています。
渡邊さん。

デザイナーは元々グラフィックデザインの畑で仕事をしている。
得意な領域はグラフィックな筈。
だけど、作られたプロダクトにはグラフィック要素は微塵も無い。
そこも気に入っている。

そして僕は、渡邊さんと話をするために送付元の電話番号にかけた。

お店には来たことがあるけど、人見知りなので僕とは話をしていない。
彼の友人と僕が話しているのを横で聞いていたらしい。
そしてなんとなく考えが似ている事に気付いて下さった。

洋服は作られ過ぎている。
その中で自分が洋服を作る理由を模索したい。と彼は言う。
僕もその時そんな事を話していたのかも知れない。

「ISSUE」というと直訳すると「問題」問題といえばproblem という言葉もあるがニュアンスが違うらしい。

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issue – 直訳すると問題。
問題といえばProblemという言葉もあります。

「problem」は「解決すべき問題」
「issue」は「議論されるべき問題」
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前者は、既に起きている事態。過去と現在に時間軸があります。

それに対して後者は、これから起きるであろうことや想定すべきこと。現在から未来への時間軸で語られます。

なるほど。

デザインの本質というのは問題解決だと何度か聞いたことがありますが、問題にも二つの質があるのだなと。ファッションデザインの多くは流行の後追い。つまり、過去から現在に時間軸がある。

この人は、僕は新しい物作りますよ。未来を見てますよ。
とブランドネームによって宣言しているのかも知れない。

まだ見ぬ楽しい服。それを見てワクワクしたいというのが僕の洋服屋としての本能です。
それって才能どうのこうの以前に作り手の考え方が、将来に向いているかどうかに左右されると強く思います。
ISSUE は話を聞いただけでもワクワクする服を作ってくれそうだなと思いました。

今回の2020FWテーマは「revolve / 展開」
1つの形に対して、様々な加工を施し見せ方を変えるコレクション。
今回は三型ございますが当店では一型のみのピックアップになります。
秋冬からスタートする取り組みにはなりますが、まさに今紹介しておきたいと思い書留ました。

少し長くなりましたので明日に書かせて頂くブログにて商品説明と商品の案内に移りたいと思います。
プレオーダーやカラーのカスタムについての案内も兼ねての連絡になりますので興味のある方は是非ご覧下さい。

近澤