Gabriela Coll Garments
No.09
“About Her Noise And Mother Hand”
今シーズンから始める事になったスペインのGabriela Coll Garments。
以下、ブランドの紹介文。
– スペインを拠点とするガブリエラ コール ガーメンツは、シーズンごとの区分けに縛られない“シリーズ”をコレクションとして展開。着こなしや価値観を重視した、メンズピース、ウィメンズピース、バッグ、アクセサリー、フットウェアで構成されている。“シリーズ”は仮想の物を具現化したものであり、展開するピースに決まりなども設けていない。中には永続的に、また繰り返し展開されるピースも登場する。スペインと地中海という2つのカルチャーバックグラウンドを持つデザイナー、ガブリエラ・コールの原点を着想源に、飾り気のないシンプルさやクラシカルな表現を、ファブリックの個性と関連付けたデザインを提案。ミニマルながらも、強い個性を感じられるユニークなウエアを仕立てている。また、南部地方本来のカルチャーのように、夏や冬といったイメージにとらわれないクリエーションを展開。レイヤードすることで服と共に歳を重ねていくイメージで、普遍的なワードローブを追求する。アイテムは、ガブリエラ コール ガーメンツのスタジオや、ローカルの工場で生産。生産工程を大事にした、職人気質が感じられる物作りを行っている。-
この文章は、ガブリエラの衣服に対して分かりやすく語ってくれている。
以下は、彼女と話をしたり物を手に取って感じた。偏りのある個人的感想。
Garmentsという堅い響きを持つ単語を選ぶ辺りにも -らしさを感じさせる。
- Clothesは、衣類全般の事を指し、WearはSwiming Wearのようにある特定の状況に合わせた衣類である際し使用される。一方で、Garment は日常会話で使われることが少なく、ビジネスの中で使用されることが多く“一着の衣類”を示す際に用いられる。 -
一つのシリーズの中にある其々のGarmentは連続性を持ちながらも互いに独立している。一つの衣類をそれだけで成り立つ強度を保ったピースを作ることを心掛けているように思える。物作りのルーティンという側面においてジーンズのメーカーや、或いは家電メーカー、そういった硬さを持った製造業に近い考え方を持っているのでは無いだろうか。違いは見に纏うという事以外の特定の目的が存在しないという点。更に、彼女はインスピレーションを得る上でシーズン箏の特定の対象物は無いと話す。一方で、北野武の話題に触れた際には、It’s always on my board :)と彼女から返信が来る。やはり何故か、皆から北野武の名前を出す。国籍問わず、ファッションデザイナーあるあるなのか。しかし、コメディアンとしてのビートたけしの側面はあまり知らないだろう。ファッションブランドの多くは毎シーズンテーマを持ってコレクション製作を行う。彼女にとっての服作りは自己表現というよりかは、自己探求の側面が強い。そしてそれが一つの目的にもなっているよう思える。頭の中の言葉にならない部分を手を動かして形にしていく。特定のテーマは無いが頭の中には靄のかかったムードボードが存在する。この様な手探りでルーツを辿る作り方、考え方が、どれだけシンプルであっても彼女にしか作ることが出来無い捉え所の無い個性を衣服に持たせるのかもしれない。
Gabriela Coll Garments は、当店では初めての女性がデザインするメーカーである。改めて感じるのは、ストイックな女性が作るそれは、男性が作るのとはやはり違う。無機質な中に手の温もりというか身体を覆ってくれる母性が感じられる。そのお陰なのか、静かな物だけでなく土着的な物、汚れた物、可愛い物、そういった性格がはっきりした衣服と合わせると、Gabriela Collが持つその部分が浮かび上がってくる。例えばこのノースリーブのコートはポップコーンニットと合わせてもいいし、ムラがあるニットと合わせても良い。あるいはライダースを中に来ても良い。これは長いベストでもあるし、袖の無いコートでもある。捉え所が無く、どのようにでも転んでしまうし最終的には許容してくれるという点においては当店で取扱のあるISSUETHINGSのコレクションと同じ香りがする。しかし、良い意味で性差の部分はやはり感じる。ISSUETHINGS の優しさは母性では無く、落合博満とか野村克也のそれだ。王貞治でも長嶋茂雄では無い。ちょっと何言ってるか分からなくなってきた。
誰がどんな風に着ても良いし、選択肢が多いからこそどう着たら良いか迷い難しく考えてしまう人も多いのではないだろう。きっとその分だけ洋服を楽しむ事が出来るはずだ。
VODKA connecting people / 大阪府大阪市西区江戸堀1-18-5
Jun Chikazawa / 近澤 惇
Brands.
AUBETT / ENSOU. / EESETT&Co.
ISSUETHINGS / MASU / SEEALL / SOWBOW
GABRIELA COLL GARMENT / RAINMAKER KYOTO
A MACHINE / Call / RANDY / Scha Hat and used clothing