X

Diary-2022.11.28


AUBETT
“超おっきいコート”


オーバーサイズのコートはここ数年色んな所から出ています。ダブルフェイスの生地を使ったコートも男性に向けたワードローブでもこの数年は良く見かける。
ダブルフェイスのオーバーサイズのコートは選択肢が無いと言えば多くは無いが、あると言えばそれなりにはある。
明らかに上質でしなやかで、品がある。高級な素材を使ったいいコートは山ほどある。

過去も踏まえて、山ほどある洋服の中で既視感無く新鮮な空気を纏い、コレなんだよなぁコレを作る事は針の目を通すような作業に他ならない。

杉原さんの作るアウターやシャツは、ダーツやタックによる処理が少なく、構造上余る生地をどのように綺麗にドレープにするかというのが彼にとっての洋服の美しさであるそう。

アウター以外でも基本的にはTシャツにしても肩甲骨から下に生まれる美しいドレープを意識し生地の開発からトワル組み、量産に至るまで企画しているように思える。

このコートは身幅肩幅袖幅全てが広く、181cmの私が着ても超おっきい。これでも一応最小サイズ。何故だか、オーバーサイズのコートならではの派手さは無く自然に身体に馴染んでくれる。

チョコレートカラーなヤク100%の原毛色のファブリックは毛抜きならではのハリとしなやかさがあり、その大きさから余った生地は縦に大きくドレープが生まれる。どちらかというと布そのものを纏ってるような感覚。

美しいという感覚は人それぞれ。一概には言えませんが、嫌味がなく可愛いらしくて美しいドレープだと僕は思う。
手まつりで行われるはぎ合わせ作業は関西にあるメゾンも請け負うトップクラスのアトリエで行われており、妙なデコボコやホッコリした空気を与えず、全ての箇所が丁寧に手まつりされている。

キャメルだとラグジュアリーな空気が出過ぎるし、黒だと強過ぎる。いい塩梅のチョコレート。

この手の物で切羽になっているのも珍しく、そうすることで折り返して着こなしとしての軽さを作ってあげる事が出来るし、ジャケット襟は、立ててグチャっと着てもダブルフェイスのハリが許してくれます。

オーバーサイズのコート、ダブルフェイスの生地を使った物は数多くあれど、ファブリック・構造・ディティールを考え直す事で物として美しく、着てて楽しく、新鮮な気持ちを与えてくれる。

創作料理のような華やかさもいいけれど、豆腐は豆腐でも良い大豆を使うだけで無く、一つ一つの工程を見直すことで初めて食べるような味の豆腐を食べさせてくれる。

そんな粋を感じさせる超おっきいコート。

AUBETT
Yak Melton Oversized Coat
Size. 3
Price : 180,000 / 198,000 taxincluded

 


VODKA connecting people / 大阪府大阪市西区江戸堀1-18-5
Jun Chikazawa / 近澤 惇

Brands.
AUBETT / ENSOU. / EESETT&Co.
ISSUETHINGS / MASU / SEEALL / SOWBOW
GABRIELA COLL GARMENT / RAINMAKER KYOTO 
A MACHINE / Call / RANDY / Scha Hat