2023.08.04(fri) – 07(mon) at ウォッカコネクティングピープル
08.04(fri) / 15:00-20:00
08.05(sat) / 13:00-20:00
08.06(sun) / 13:00-19:00
08.07(mon) / 13:00-18:00
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前回の2月、2020年振り久々に再開したイシューシングスの受注会。
本来、洋服屋という業態の中で特定のブランドの受注会という催しをする事は売り逃しを防ぐ事、ブランドの世界観を伝える事として役立てられている。個人的に、そんな店側にとって都合が良過ぎる催しに本質的には魅力を感じてはいないし、リスクを冒さずして面白い物は生み出す事が出来ないと考えている。
それでもA MACHINE 然り、OIRA然り、今回のISSUETHINGSもそれなりの頻度で受注会のシステムで催しを行なっている。そこには、全ての品番を揃えてラインナップを見て貰えるという事以外の理由があるかどうか。つまり、品番を選ぶ / 買い付ける という仕事以外での店としてのフィルターを掛けられるかどうか。
そういった事を大切にしたいと思っている。
コト、イシューシングスにおいては、毎回、実験的なテーマが大きくひとつあり、同形の衣服が汚される。刻まれる。補修される。縮まされる。衣類の表面や構造に様々な変化を及ぼす。
その過程をビジュアル化する事により、イシュー / 問題 の提起を行なう。おもろいじゃん!だけで止まらないよう、タグ一つにしても、付属品にしてもその大テーマに合わせて毎回マイナーチェンジを行なう。そうする事で洋服の楽しみ方に作っている彼ら自身ですら予想がつかないような形で新たな感覚を生む。
1つの事柄 – 加工 / 素材 / 副資材 / フォルム -にフォーカスし幾層にか展開する技法は現代芸術の嵩を被るような形ではなく、嗜好品としてのファッションの特性を上手く活かした形で余白を持たせる一つの方法であるように思える。
そういったファッションブランドとしての特徴を展示の方法自体を一度分解し、当店の周辺環境にあった形で組み直す事で – 店にある物や、私が集めてきたガラクタ、直近で影響を受けた物事と、彼らとの親和を探りながら手直しをしていく作業によって – 初めてウォッカでやるという意味が漸く浮かび上がる。
これまで語ってこなかったがそういう座組の中で受注会を行なってきた。
受注会を行なう上での言い訳が随分と長くなってしまったが今回の催し、そしてイシューシングスの春夏のコレクションについて言及しながら、言い訳を重ねていく。
今回、いつもと異なる点は、実験的テーマが大きく1つありそこから展開していくような形でなく、今まで彼らがトライしてきた事柄をリエディットする事で新しい視野を作ろうと試みている所にあるように思えた。
洋服を形作るという行為は2010年以降、どのような形態であれ編集という枠組みの中で動いている。今回のコレクションは、その編集という行為自体を改めて見直す事で、人の手と愛情、偏りや失敗、偶然と気づき、つまり人間的な営みを表面的に見えるような方法で表現することに挑戦しているように感じた。
それは、イシューチーム全体がそもそも可愛い物が個人的に好きなはずなのに、展示会では友人・関係者のみに犬柄の手編みのニットや、アメコミを手刺繍したTシャツなどを細々と個人的な発表してきたのにも関わらず、属人性の強いデザインの衣類は本筋のコレクションからは排除し、そういった物理的な温かみを表面化してこなかった数年間とは真逆の手法にも思える。どのような心理的な変化なのかは本人でしか理解できないところとも思えるが、今回は作り手やチーム、ISSUETIHNGSが、人としてとても大切にしていることが前面に出ているように思えた事が、イチ服好きの個人として心地が良かった。
カジュアルに言えば、綺麗な工場で機械的にガラガラポン(勿論、どんな服であろうと価格的に安いものであろうと、ガラガラポンでは出来上がりません、、) で作られたっぽいプロダクト寄りの衣類に軸足を置いて作りながら、そこに人の温もりを失わないような編集の方法にトライしている、といったところでしょうか。可愛いは作れる。デス。
布に包まれたピンバッチ、汚れを吹きつけ洗う度に綺麗なっていくカジュアルパンツ、しつけ糸で装飾された煤が残ったSLV925。
表面的な捉え方というのは決して悪い事では無く、表面をどのように捉えるかに楽しみがあり、服の裏側に存在するものは知らず知らずのうちに意識せずとも思考を促され何かしらの影響を与えられているという事を彼らの服から感じる事が出来る。
装う物を提案する以上、イメージで語り、言葉に頼らないという強さを求めることはファッションにおいて非常に重要な事だと理解している。
その上で僕自身が彼らの服を見て感じた事をまるで答えかのように書くことは余白の穴を埋めてしまうような行為と捉えられるかも知れない。それでも、このような形で敢えて文章化することで、他人の思考、物事へのアプローチを通して洋服を見る事は、それが – 表面的な理解の部分 / ファッションとしての純粋な楽しさ – に穏やかに影響を与えるのではないかと考えるに至りました。
今回はビジュアル的なプレゼンテーションでは無く、各々の洋服の楽しみとイシューシングスというファッションブランドへの興味や愛情が一人歩きせず、一層深まるような形で催しを行なう事に意味があるように思える。その為には、ある意味で雑多で生活感あるような形で行なう必要があり、今回は2階の展示スペースではなく1階のショップスペースで展示を行なうことにしました。
とにかくいっぱい喋って魅力を伝えられれば、、
秋冬の他ブランドの商品なども1部入荷してますが当日は基本的に見られない状況で運営しますのでご容赦頂けますと幸いです。