Diary 2023.03.06.
A MACHINE / Sonatine Shot Shirt
タピオカ的ディストピアに思う
A MACHINE “Man in the mirror
北野映画のソナチネで主人公である北野武が着ていたピシッとしたYシャツ。シリアスな空気で始まった物語は、いざこざがあり沖縄に行った後、少しずつそのムードが薄れると共にシャツは肌け、開襟シャツの様に見えてきます。
個人的な感想ですが、ソナチネは見る度に好きなシーンが違うというか、その時の感情によって作用されることが多い。紙相撲を装った遊びのシーンは特に萎えてる時に突き刺さる。寄り添ってくれる。とかじゃなく、男の弱い部分、メソメソしてて情け無い部分を突きつけられる感覚。
“Man in the mirror”という今回のテーマもそんな感じでしょうか。一種の自己矛盾と向き合い、それが存在する時にこそ物事は緊張感を帯び、美しく見えるように思えます。
だって正論しか言わない世界なんてつまらないじゃないですか。正論の中にある矛盾を無視して枠に納めてるだけで。綺麗で完璧にパッケージ化された物は、その時代のルールが変われば即座に価値として終わりを迎えるんじゃないでしょうか。タピオカ的ディストピア。
私たちはそれを要らない過去の否定と定義付けています。
そんなんじゃ嫌だねぇ。という事で私たちや皆さんもインディペンデントであったり狂った感覚の洋服を扱ったり、買ったり、着たりして楽しんでくれているはず。
映画の終盤のムードをイメージで捉え、形は一般的な開襟シャツに。上のボタンを外せば肌けた様なシルエットになり、ポケット位置はタバコを取り出しやすい位置に配しています。
3・4・5とナンバリングされているのは、ショットガンの射撃訓練用のターゲットの点数をモチーフに6箇所にスタンプを施しています。
A MACHINEはいつも普遍的なシャツを作ります。今っぽい空気でも、モダンでも、アヴァンギャルドな空気がある訳でもない。ちょっと懐かしい、そんな感覚を見せてくれる。そういう意味で今回の開襟シャツも昨今のファッション的なムードで言えば逆に不思議なバランス。のように思います。
そろそろ暖かくなってきたので思い切って1枚で裸で着てもらいたい。ボロボロになっても着たいって質の話じゃなくて、こういう事だと思うんですよね。
風邪引いたらごめんなさい。
チカザワ
Sonatine Shot Shirt / Size 1 .(Sold) 2.
38,000 / 41,800 yen taxincluded