Recipe of French
今日はシャツブランドを紹介します。
以前インスタグラムで書いたことの延長線なので重複すみません。
shとは – ブランドHPから抜粋 –
“SH”は新しいシャツブランドです。
僕が今まで見てきた様々なファッションを、一番好きなアイテムである “シャツ” で表現したいと思いスタートしました。
テーマは “フランス” から見たアメリカ”です。
アメリカを代表する様々なブランド、アイテムからデザインを引用し、 そこにフランスのエレガンスを加え、現代的に“着られるシャツ”に 仕上げています。
今回展開する6型のシャツの素材は “全て同じもの” です。
定番的なシャツからワークジャケット、そしてフライトジャケットまでを 全てシャツ素材で仕立てることによって“シャツの可能性”を広げたいと考えています。
素材や縫製にこだわるのはもちろんですが、最も重要視した点は “自分らしさ”です。
シャツが好きで好きで、いつも着ているからこそ提案できるシャツの “新しい解釈” 。 着る人 “それぞれ” の自分らしさをこのS Hで見つけて頂けたら 嬉しいです。
関 隼平
shはシャツ素材で様々な試みを行います。
品番の二項目に書かれた文字は関氏がモチーフにしたアメリカのアイテムを表しています。
フランスからみたアメリカをコンセプトに新しいアイテムを作り上げます。
今日はSHのディティールを細かく紐解くことでコンセプトである『フランスからみたアメリカ』のレシピを炙り出し、ブランドの魅力を伝えます。頑張ります。
アメリカ(元ネタ)
それぞれの元ネタを逐一説明すると陳腐になるので気になる方は調べて下さい。シルエットは元を踏襲しながら現代的に、そしてフランス的にアップデートしています。更にヴィンテージのニッチなディティールを記号として残したり、アメリカの古き良き部分を縫製や仕様で落とし込んでいます。
以下、キーワードのみ品番の横に抜粋します。
①SH-GMBT-001:シングルニードル(巻伏本縫い)
②SH-LVND-001:脇線の接ぎ生地(507XX 44inchover)
③SH-FLSN-001:ベンチレーション。一枚袖。
④SH-FTGJ-001:ドレンホール、ペン刺。
素材
生地はオックスフォード。
非常に細かく織られたオックスフォード地に洗いを掛けています。
パッと見ではドレス地にしか見えない顔立ちをしています。
ギュンギュンに目を詰めてドレス感を強めたOX地に強く洗いをかける。
そうすることで独自の皺感がでます。
フランスへの味付け
①Detail
・Button
shの白シャツに関してはビアンコ貝を使用しています。
白蝶貝の一種ですが、あえてカゼイン系の安いボタンのように見えて良く見れば高級感あるといった仕様にするためにビアンコを選んでいる。
・接着芯を不使用
代わりにシャツで使われているのと同じ素材を挟み水溶性の糊で補強しています。そのため、芯使いのシャツにはない自然な仕上がりになります。
③Stich
個々の品番ですが一般的には、効率のために同素材で同じ工場で縫製を行います。が、shは品番に応じて工場を変えます。シャツはシャツ、アウターの形をしたものはそちらを専門にした工場。
ですので、それらはアウターの形を素材をしたシャツではなく、シャツ素材のアウターということになります。そして、運針数(針の運び方、つまり縫製の細かさ、1インチの間に何個縫い目があるかの数値)にも徹底したこだわりがあります。
品番によって、そしてパーツによって運針と縫い方を変えています。何故そのような面倒くさいことをしたのか。
展示会の時そこまで突っ込んで聴けなかったのですが、注意深く見れば分かりました。パッカリングを出したい部分と綺麗にしておきたい部分を明確に決めることを計算した上で仕様を決めています。
結果
コンセプトである『フランスからみたアメリカ』を仕上げる関さんのレシピ。
元ネタ(アメリカ)→ フランスへの変換するための係数がこれら仕様に隠されています。
アメリカの古き良き伝統とアメリカへの憧れ。
そこに、あらゆる文化が交わり洗練させるフランス的視点を加える。
簡単に言えば品良く洗い晒しで着て貰える素材と縫製です。
それを完膚なきまでに徹底的にやり込んだブランド。
それがSHです。
全ては結果(見た目)のための努力。ストーリーをつけるための無駄ではありません。百聞は一見に如かず。見に来て下さい。
毎度ながら写真が下手で魅力が半減してしまっていると思いますがご容赦ください。
近澤