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MASU 2021SS

STAY FRINED

とても寒くなってきました。
代謝が良い方なので、先月までは割とシャツ1枚で過ごすことが多かったですが流石に無理。

当店は大企業様の巨大なビルの影に潜んでいて、日光が全然当たらないし、古いビルなのでお隣の家の晩御飯が何なのかが分かるくらいは隙間だらけ。昨日はおでんだと思います。底冷えが非常に凄まじく、逆に夏は冷房が要らない程涼しい。昨日は、お客様に外より寒いとお墨付きを頂けた。

そして、そんな中、気が大分早いですがMASUの2021年春夏の商品が届いたので少しブログを書きます。まだ、2020年なんですがそれはお許しください。

そもそも、当ブログでMASUについてお話しするのも初めてなので、まずはブランドについて。

後藤愼平さんがデザイナーを務める国内のブランド。国内外にクライアントを持ち縫製事業を行なうSOHKIという会社が母体となっており、まだ比較的若いブランドながら国内ブランドでも有数の生産背景を持ちます。

ヴィンテージウェアやデザイナーズアーカイヴに造形が深い後藤さんが、最先端の技術を用いて、社会に対する疑問、日常から生まれる感情やユーモア、歴史から紐解くリファレンスを元にエッジの効いたコレクションを発表しています。

ルックブックも個性的な表現のためモード色が強いイメージを持たれる方が多いかもしれません。

個人の意見としては、かなり地に足のついた人格を持つブランドで、男女を問わず大人にこそ提案したいという思いでお取扱をさせて頂いております。

MASUの商品を見る度に思うのは、大量に衣服が作られ、廃棄されていく世の中で、何故この服を作ったのかという理由が強く感じられるということ。

ただ、かっこいい服や着心地の良い服というだけじゃなくて、物の前後にある物を大切にしていると後藤さんの言動からも感じられる。それは結局、素材がとても良いとかそういう蘊蓄じゃなくて人なんじゃないかなと思っている。

前の部分はデザイナーさんの其々の思いであったりするわけで、後は買ってくれて着てくれる時にお客さんが感じることだったり。

買った服を褒められたみたいなのが分かりやすいかも知れないけど、褒められることも無いけどどうしようも無く自分は好きな服みたいなのがあったりもする。二次流通も盛んになった今は、何回か着た商品を売って、次のシーズンの服を買うみたいなことが当たり前になっている。それは当然の事だし、とても環境にも良いと思うので肯定派だけど、そんな中でもずっと手放したく無い洋服が誰しも出てくる。

それは、母から譲り受けた物であったり、友人からのプレゼントであったり。結局、親しい人から貰った物であることが多いかも知れない。

多分、後藤さんは今回、民藝をテーマにしているけれど、そういう物・事をデザインしたかったんだと思う。

それは洋服そのものだけでなく、買ってくれた人が愛情を持って使ってくれて初めて完成する。

その間に位置するお店として出来ることは、愛情を持って使ってくれるように接客したり発信することなので、今回はテーマに合わせて展示したり、ブログに書いてみたりしてます。このブログを呼んでる人はGoogleが少ないことを無慈悲に教えてくれるけれど、1人にでも良いからブランドの想いを伝えられれば満足です。

なんで袖丈長めなの?ここはどうして紐で縛るの?みたいな着用時に、身体に訴え掛ける部分がこのブランドの一つの特徴でもあるから、次回以降少しずつ、お気に入りポイントを紹介していきたい。人それぞれ感じることが違うので、あくまでも自分なりに。

物を見てテーマを聞いて、その間の部分を勝手に自分の頭で考えるのが好きなので展示会ではあまりそういった事は聞かないようにしてますが、いつか、答え合わせ的にインタビュー形式で出来たら嬉しいなと思います。

今日は疲れたのでこの辺で終わります。

VODKA connecting people 

近澤