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A MACHINE

A MACHINE “Solo”(2022)
Interlude at “VODKA connecting people”
2022.04.02-04.03


“  何も知らない ”


ここ数シーズンのA MACHINE の商品説明にはその物が生まれるにあたって必要であった感情が文章として示されている。

それは世の中に対する皮肉である場合もあれば、自身に向けた皮肉、或いは正の感情でもある。

淡々と書かれたそれを読み返すと、彼の夢の中を覗き込むかのような感覚に引き摺り込まれる。

作られた現実を平和に暮らす。そんな中、イレギュラーバウンドが生じ、何故だか、少し裏切られたような気になってしまう。小石が何処かにあるのは当たり前でいつか起きうることなのに。

便利な世の中になった今、幸か不幸か、スマートフォンで分からない事をすぐに調べられ、知った気になれてしまう。それでも、知覚の外にある物はそれの存在にすら気付かない。つまり、僕たちは案外知らないことの方が多い。

気付かない事や知らない事は悪い事では無い。知らない存在に気付かされた時、自分なりに理解をしようとする事が感情を豊かにしてくれる。それは端的な言葉で無く、少し曖昧な感情から生まれる理解であるのかもしれない。

金井くんは自身のファッション言語とは別の言語で洋服を語る。ファッションをファッションの言語のみで語る事は、それそのものの豊かさ、可能性を阻害する行為にもなり得ることを理解している。

一方で、服売りである私は、なるべく分かりやすく服を服の構成要素である生地やパターンと作り手の思いや癖と共に説明を重ねながら、その人の体型や好みに合わせた提案をする。その上で、結果的にこれがいいんだよねぇと言う感覚・感情をお客様と共有することを大切にしている。

一定の人間に評価されていて答えや価値が決まっている物に対し、A MACHINE のような掴みどころも無く、有名でも無い洋服をこんな知名度の低いお店で多くの人が買ってくれているのはお客様がそのように定まっていない価値を受け入れてくれているからに違い無いし、そうさせてくれるのがA MACHINE の良さだと感じる。

感情を引っ掛けるための釘は日常の様々な場所に存在する。その小石を拾うのか拾わないのか人それぞれだけど、その小石から洋服を作る人は優しくて不器用で、それを受け入れてくれるお客さんも小石が拾える優しい強さがあるのかも知れない。

そんな彼の次のシーズンの展示会が先日あった。今週の土日、4月の2日と3日。そんなこんなで、彼とまたお店で次の商品を並べて展示をします。

そのために大規模なDIYを長らく行っており、DiaryやEstoreの更新がおざなりになってしまいすみません。因みに全然間に合いませんでした。悲しい。

何ヶ月も何時間も何回も話をし、行ったり来たりし、ここでやる意味を来てくれたお客様に伝えられる何かを店全体を使って表現しました。改装は全然間に合わなかったし、2人でママチャリでホームセンター回ったり、色んなところに電話したけど欲しかった資材も見つからず底の深い絶望を味わいました。結果的にその失敗も含めそれが全て正解だったような気がします。その泥臭い部分こそが全てなのかも知れない。

この場所で、この2人が準備し、このタイミングでしか感じられない、ここに来なければ知ることが出来なかった何かをこの場所に在るように考えました。疲れましたが、今はなんでもスマートすぎて、そういう形が洋服の売り方として無いのでいい事だと思います。きっと。

理屈じゃねぇんだよ。そんな感じを理屈を捏ねて捏ねて。失敗して。大真面目に。です。

この2日間は営業時間を20時までにしてますので是非是非お越し下さい。宜しくお願い致します。


VODKA connecting people / 大阪府大阪市西区江戸堀1-18-5
Jun Chikazawa / 近澤 惇

Brands.
AUBETT / ENSOU. / EESETT&Co.
ISSUETHINGS / MASU / SEEALL / SOWBOW
GABRIELA COLL GARMENT / RAINMAKER KYOTO 
A MACHINE / Call / RANDY / Scha Hat  
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